Up 従来型無責任組織改変の装置 作成: 2006-01-16
更新: 2006-01-16


    企業/組織犯罪や官僚組織の罪をきちんと問題化し対策しようという時勢の中で,「説明責任 (accountability)」「規則遵守 (compliance)」「情報開示 (disclosure)」が主題化された。この3つは,従来型無責任組織を改める装置として,組をなす。

    わたしの解釈では,
    説明責任 (accountability)」は,従来型組織の「任期」の無責任構造に関わる。すなわち,「任期 - 前任者 - 後任」を「責任問題の時効化」「つけを後に回す」に悪用することを許さず,いま起こっていることに責任をもたせる。
    規則遵守 (compliance)」は,従来型組織の「気兼ね」の無責任構造に関わる。すなわち,「特定の者への気兼ねを優先して無法・無理を行う」本末転倒を許さない。
    そして,「情報開示 (disclosure)」は,従来型組織の「隠蔽体質」の無責任構造に関わる。すなわち,不都合なことを隠蔽し詐欺を働くことを,許さない。


    これらの装置は,企業犯罪や官僚組織の罪に,つぎの構造を見ていることになる:
気兼ねが共犯関係へと発展する中で,
自分が担当を解かれるまでは,自分の責任が問われないよう努める
    実際,気兼ねは容易に大犯罪へと発展する。
    多数の人間に明白に被害をあたえることを指示する上司に対し,気兼ねしてこれに従うか (どうせ,被害者の痛みは直接自分に伝わってくるわけではない),あるいは被害阻止のため上司に逆うか。この選択肢に対し,人は容易に前者を選ぶ。
      例: 組織内で異議を唱えるよりは,虐殺に加わることを選ぶ。戦争突入も黙認する。

    そこで,「上司に逆う」「組織内で異議を唱える」を個人に求めるのは無理 (かわいそう) と見て,組織に「説明責任 (accountability)」「規則遵守 (compliance)」「情報開示 (disclosure)」を課すことにした。これがアイデアだ。