Up | 頭脳 : 要旨 | 作成: 2023-07-29 更新: 2023-07-30 |
軍事力は,相対的だからである。 ところでその「世界軍事力ランキング」だが,兵士の数やどんな兵器がどれだけあるかで,軍事力を評価している。 しかし兵士や兵器は,頭脳が動かすところの手足である。 軍事力のいちばんの項目は,「頭脳」である。 「世界軍事力ランキング」には,「頭脳」が抜けている。 そこに記されている日本の順位は,真に受けるものではない。 日本の軍事力は,「頭脳」がどれほどのものか? それは,どこにあるのか? 日本の軍事を担当する機関は,防衛省・自衛隊。 よってひとは,軍事の「頭脳」は防衛省・自衛隊にあると思うかも。 しかし,防衛省・自衛隊は「役所」であり,執行機関である。 映画「シン・ゴジラ」で見たように,防衛省・自衛隊は命令を受ける立場。 命令の文言を命令遂行形に編集し,そして遂行するだけである。 軍事は「文民統制」となっているので,軍事の頭脳は官邸に存在していることになる。 「シン・ゴジラ」でも,官邸の員の一人が「頭脳」になっている。 アメリカも「文民統制」だが,軍事の頭脳は軍隊の中に位置づけられている。 アメリカは,軍隊が科学・工学の最先端の集まるところになっているが,それは「軍事大国」を世界の中での自分の役割にしているからである。 日本は,これとは違う。 防衛省・自衛隊は「役所」であると述べたが,「役所」に軍事は馴染まない。 軍事では軍隊を機動的に運用することが必要になるが,これが叶わないからである。 即ち,<前例に寄せる>や<責任を取らせられないようにする>や<忖度する>のお役所仕事になり,決済まで数日・数週間といった時間がかかってしまうことになるのである。
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