Up | 「弾道ミサイル防衛」利権 | 作成: 2023-08-08 更新: 2023-08-08 |
国から金が下りるようにするには,どうするか。 専門性をちらつかせ,支出が大事だと国に思わせればよい。 国は,シロートなので,騙される。 国防に焦っている国は,「これが防衛になる」と言えば,支出する。 いまこれが昂じて,核ミサイルまで防衛できることになってしまった。 ──「SM-3 と PAC-3 の2段構えなのでだいじょうぶ」 核ミサイルは,少し前まではつぎのように認識されていた:
両方が潰滅的被害を負う》
撃ってしまったら,最期。》 それが今,核ミサイルは《飛んでいる途中で直撃破壊》するものになった。 昔と今で,何が変わったのか? 技術の進歩? そうではない。 技術に対する妄想がひどくなっているのである。 昔と今で変わったことは,国のプロジェクトが「有識者/専門家」主導になったことである。 しかしその「有識者/専門家」は,プロジェクトに参画して国から金を取ろうとする側にいる。 プロジェクトに参画して金を取ろうとする者は,自分の「技術開発」をすばらしいものに見せようとする。 即ち,実際をはるかに超えたものに装う。 この彼らに,メディアが乗せられる。 そしてメディアに,大衆が乗せられる。 大衆は,すばらしい技術の実現がすぐ目の前まで来ているのだと思う。 さらに, 「技術はもう実現できていて,後はこれに金が投じられるだけ」 と勝手に思う。 今は,こんなことが,手を替え品を替え出てくる。 ひとはこれにすっかり馴らされる。 そして思考回路が,「技術はもう実現できていて,後はこれに金が投じられるだけ」になる。 「核ミサイル防衛」は,これである。 核ミサイルは,もう直撃破壊できるものだと思われている。 『防衛白書』も「弾道ミサイル防衛」をこの調子で書いている。 (核ミサイルは弾道ミサイルなので,核ミサイル防衛は弾道ミサイル防衛ということになる。) 世の中が「弾道ミサイルは直撃破壊できる」になっていくのは,ひとがつぎの2種類になっていくからである: で,弾道ミサイルは直撃破壊できるのか? 撃ち落とせない。 |