Up | 尖閣有事 : 要旨 | 作成: 2023-08-04 更新: 2023-08-04 |
中国軍の尖閣諸島揚陸を阻止する方法は武力だが,この場合日本は武力行使を発動しないからである。 日本としては,中国との戦争にエスカレートする可能性のある武力行使は,できないのである。 アメリカ軍は,中国軍の揚陸を日本に代わって阻止するものではない。 日米安保は,日本に代わってアメリカが戦うということではなく,日本とアメリカが軍事で共同するというものである。 そしてそもそも,アメリカは尖閣諸島の事では中国とは戦争しない。 したがって,尖閣有事は,中国軍の尖閣揚陸がどんなタイミングで起こるかという話である。 そしてそれは,台湾有事のときということになる。 そもそも,何で「揚陸」なのか? 尖閣の島は,揚陸しても何もすることの無いような島である。 揚陸するのは,陸に上がることが「領有」の表現だからである。 (例:竹島──韓国では 有り体に言えば,尖閣諸島の領有の意義は,国家主義的なものである。 戦略的・経済的の観点から絶対,というものではない。 ひとは,尖閣諸島が中国に取られると,その周辺を日本の船舶が通れなくなると思う。 こう思うのは,「領海」の意味をわかっていないためである。 ここで尖閣の領空は,これを取っても航空事情がさして変わるものではない。 排他的経済水域はどうか? 排他的経済水域とは,海底資源の占有のために設けたものである。 しかし,海底資源の利用は,実際には絵に描いた餅である。 調査でも採掘でも,費用対効果比がどうしようもなく悪い。 メディアや政治は,「専門家」の海底資源宣伝に乗せられているのである。 ──「専門家」が海底資源を宣伝するのは,これが自分の業績をつくることだからである。 こういうわけで,尖閣諸島のことで戦火を交えるのは,日本と中国の両方にとって割の合わないことである。 実際,尖閣諸島に対する賢い戦略は,「くすぶらせておく」になる。 領有でくすぶっている所があるというのは,国の統治者にとって悪いことではない。 ひとの愛国心はこういうところから火がつくからである。 |
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