Up "up" と "on" をいっしょくた 作成: 2022-08-03
更新: 2023-02-05


    英語の "up" と "on" の違い:"up" は「離れて上」で,"on" は「くっついて上」。
    運動物体Aに対する運動物体Bの相対性は,Bの運動がAから離れたもの (up) か・Aと繋がっているもの (on) かで,全然違うものになる。
    しかし,気象学が「コリオリ力」を論じるとき,気象学は up と on をいっしょくたにする。
    そしてそのことを「おかしい」と思わない。

    "up" の例
      田中 (2017) pp.94,95
    地球が自転しているときと自転していないときの人工衛星の軌道を地上に描くと,自転の効果で軌道が北半球では右方向に曲げられることを確かめることができる. ‥‥
    このように,地球の回転がなければ直線的に飛行するものが,回転の影響で右に転向する効果は,おもにコリオリ力 (Coriolis force) によるものである.

      白木 (2022), p.22
    回転する円盤の上でボールを投げる場合を考える。‥‥
    このときのボールの動きは,地球上で見る空気の動きと同じである。
    すなわち,地球表面とともに自転しながら空気の運動を見ると,あたかも地球表面は動かないで,空気の方が進行方向に対して,北半球では右にそれて運動するように見える。
    空気の進む向きが変わるのは,空気の進む方向の直角右側に,見かけの力が働くためである。
    この見かけの力がコリオリ力である。


    "on" の例
    実教出版『地学基礎』(高校教科書), p.80


  • 引用文献
    • 田中 博 (2017) :『地球大気の科学』, 共立出版, 2017.
    • 白木正規 (2022) :『新 百万人の天気教室 (2訂版)』, 成山堂書店, 2022.
    • 実教出版『地学基礎』(高校教科書), 2022.