Up | 熱帯低気圧/台風の渦が左巻きである理由 | 作成: 2022-07-12 更新: 2022-07-12 |
コリオリ力についてここで言っていることは,間違いである。 これまで繰り返し論じてきたように,コリオリ力は白木 (2022) が想っているのとはまったく違うものである。 流体力学は,渦の生成を「流体内部の速度差」が元の乱流発生に帰す。 「コリオリ力」なんか用いない。 実際,熱帯低気圧/台風の渦 (北半球なら左巻き) は,メカニズムの本当のところはわからないが,つぎのように「流体内部の速度差」で説明できることである:
これと同じ──即ち,偏東風に導かれ西に進む気流が前方の気団に寄せるとき,気団の北側では反時計回り,南側では時計回りの渦ができることになる。
このため,偏東風に導かれ西に進む気流は,これの北側と南側が同じ速さのとき,北側が南側の頭の前に回り込む。 南半球では,これの逆。 回り込みを説明する概念は, 「流体の粘性」である。 そしてこの回り込みを契機として,北半球だと左巻き,南半球だと右巻きの渦が生成されていく。 渦が大きいほど,その上昇気流は強くなる。 そしてこの上昇気流が,渦の成長にフィードバックする 熱帯低気圧の発生というわけである。 「熱帯低気圧/台風」の要点 : 気象学のテクストはつぎのように教えるが,これは「コリオリ力」を間違っている上に,さらに渦と上昇気流の順番を間違っていることになる:
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