Up 「CO2排出地球温暖化」デマゴギーのツボ : 要旨 作成: 2022-09-06
更新: 2022-09-06


    CO2 は「温室効果ガス」である。
    これは,その通りである。
    デマゴギーは,これからさらにつぎのように続けることである:
      「 人間による CO2 排出量が,こんなふうに上昇する。
    これにより大気中の CO2 濃度が,同じふうに上昇する。
    これにより気温が,同じふうに上昇する。


    「同じふうに」と思うのは,ひとの習性である。
    デマゴギーのツボは,ひとのこの習性につけ入ることである。
    CO2 排出量の増加を比例関数的に見せれば,ひとは勝手に,CO2 濃度が比例関数的に上昇し,気温が比例関数的に上昇すると思う。
    CO2 排出量の増加を指数関数的増加に見せれば,CO2 濃度・気温も指数関数的に上昇すると思う。

    つぎの IPCC の報告は,この手のデマゴギー:
「CO2 濃度急上昇」を誇張して表現
IPCC (2001a), p.6


「気温急上昇」を捏造
IPCC (2001), p.134 (Ch.2 : Observed Climate Variablity and Change)


「急上昇」をそのまま未来に延長
IPCC (2001), p.534 (Ch.9 : Projections of Future Climate Change)


    事実はどうか。
    「同じふうに」とはならない。
    つぎは,地球の熱放射スペクトルに示される温室効果ガスの効果:
Wijngaarden & Happer (2020), p.13
横軸は周波数,縦軸は放射量
青のなめらかな曲線は,大気が無い場合
緑は,温室効果ガスから CO2 を除いた場合
黒は,温室効果ガスがすべて揃った場合
赤は,CO2 の濃度をいまの2倍にした場合
グラフの見方:例えば,
  青と黒の曲線で囲まれた領域 = 温室効果ガスに吸収される地球放射熱


    CO2 の濃度をいまの2倍にしたときの温室効果の増加は,黒色曲線と赤色曲線のわずかの差である。
    これは,CO2 の温室効果が,既に飽和点に達していることを意味する。
      "すでに黒い窓に,黒いペンキの層を塗り足すようなもの"  (Koonin(2021), Ch.2)
      "Carbon dioxide is already absorbing almost all it can"  ((JoNova))

    では,現前の気温変動はどういう理解になるのか?
    もしそれが「既に飽和状態の温室効果」で説明できないスケールの気温変動であるならば,その原因は<自然>に求めることになる。

     「温室効果」とは