Up <高層天気と地上天気の関係>の考え方 作成: 2023-01-10
更新: 2023-01-26


    地上は複雑系である。
    大気は,この複雑系の延長になる。

    大気は,高度を上げるにしたがい地上の複雑から離れていく。
    地上の大気の動きと比べ,大きくてシンプルに見える動きを,現していく。
    これが,高層天気として,地上天気と対比されるものになる。

    シンプルになる理由は,つぎの二つ:
    1. 複雑な地勢から離れる
    2. 地上と上層の間の対流が,つぎの図のようになる:
北緯50度以北の対流系


    地上天気と高層天気は,ロジックとして,互いにフィードバックする関係にある。
    高層天気は地上天気の延長でありつつ,地上天気に反作用する。

    イメージとして,これは上空に巨大な氾濫川が在るということである。
    この川は恒常的に氾濫して,地上天気を攪乱する。


    地上天気の延長であり単調化である高層天気は,<地上天気のマクロ化>と見ることができる。
    複雑な地上天気をマクロ視することは難しいが,これを高層天気がやってくれている,と考えるのである。

    実際,テレビで見る日本域天気予報は,大局観を高層天気の解析から得ている。
    そして,地方域のスケールを小さくしていくにしたがい,解析する気象現象のスケールを小さくしていく,というわけである。
大気現象のスケールと予報モデル
『気象ハンドブック』, p.324 から引用: