Up 「春夏秋冬」とは何か? 作成: 2024-02-22
更新: 2024-02-22


    「春夏秋冬」は,1年12か月を,3か月ずつ,四つに区切るものである。
    その区切り方は:
      春分の前後1.5 か月を,春
      夏至の前後1.5 か月を,夏
      秋分の前後1.5 か月を,秋
      冬至の前後1.5 か月を,冬
    春分,夏至,秋分,冬至は,それぞれ 3, 6, 9, 12月の 20日くらい (年によって1日前後) になるので:
      2/5 〜 5/5 が,春
      5/5 〜 8/5 が,夏
      8/5 〜 11/5 が,秋
      11/5 〜 2/5 が,冬

    また,春,夏,秋,冬の始まりの日を,それぞれ立春,立夏,立秋,立冬と謂う。
    したがって,
      立春:2/5 頃
      立夏:5/5 頃
      立秋:8/5 頃
      立冬:11/5 頃


    昔は,ひとは生活を季節に拠って立てていた。
    しかしその後生活が都市化することにより,ひとにとって季節の意味は薄れていった。
    そしていま,ひとが思う春夏秋冬は:
      寒い季節が,冬
      暑い季節が,夏
      冬から夏へ移る季節が,春
      夏から冬へ移る季節が,秋

    ところで,寒さのピークと暑さのピークは,それぞれ冬至,夏至から1か月ほど後になる。
    そこで,現代人の春夏秋冬の時期は,つぎのようになる:
      3, 4, 5 月が,春
      6 7, 8 月が,夏
      9, 10, 11 月が,秋
      12, 1, 2 月が,冬


    こういうわけで,「立春」とか「夏も近づく八十八夜」のことばを聞いても,現代人にはピンと来ない。
    「立春」は2月5日頃で,現代人の春はまだまだ先。
    「八十八夜」は「立春の87日後の日」なので5月3日頃。現代人の夏はまだまだ先。

      「春眠暁を覚えず」の誤解釈も,理由は同じ。( 「春眠不覚暁」)
      「春」の意味をわかっていないのである。

    そこで彼らに対しては, 「暦の上では」のことばを頭につけて伝えることが,作法になっている。
    しかし,現代人は「暦の上では」の意味をそもそも知らないので,このことばを使うことで伝達が改善されるというわけでもない。
    よって本サイトも,「春夏秋冬」のことばを,現代人の「春夏秋冬」に寄せて使っている。