Up 「気象」とは 作成: 2022-06-25
更新: 2022-06-25


    水は高い所から低い所に流れる。
    流れは,部分同士が衝突・干渉し,自己生成する系になる。
    自己生成のダイナミクスは,水を低い所から高い所に流れるものにもする (「逆流」)。

    ここで,地形をつくっているものも水だったら,どうなるだろう?
    水は激動し大きく波立つ。

    この動揺は,そのうち水平になるという形で,収束しそうである。
    しかしここに,水全体を絶えず揺らす者がいるとするとしよう。
    水は高低差をつくりつつ,複雑に動く。

    さらに,水の容器の形がひどく複雑だとしよう。
    水の運動の複雑さは,飛躍的に増す。


    水のこの現象は,空気に置き換えると「気象」になる。
    ここで,空気を揺らす者は,太陽である。
    容器は,地球である。

    では,空気の高低差とは?
    空気の密度の大小差である。
    そしてこれは,気圧の高低差に言い換えられる。


    高い所から低い所へと流れる水は,集まって川をつくる。
    川は,高い所をよけるように流れる。
    空気の流れも,本流は「川」である。
    高気圧をよけるように流れる空気が,本流である。


    流れ下ってきた水は,海に入る。
    ここで海を,陸に囲まれた湖に見立てる。
    湖は,水を巻き上げる装置である。
    そして巻き上がられた水の一部が,陸に帰る。
    こうして循環する。

    空気の場合,湖にあたるのは低気圧である。
    空気は低気圧で巻き上げられる。
    こうして循環する。


    空気は,軽い。
    軽さのために,動きは奔放である。
    その奔放さは,水とは比較にならない。

    よって,気象を理解することは至難である。
    至難と言うより,土台無理である。
    しかしそこが逆に,気象の魅力ということになるのである。


高・低気圧と空気の流れの対応
(画像クリックで拡大表示)

気象庁

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