Up 鉛直対流 作成: 2023-02-04
更新: 2023-02-04


    流体の薄い層の鉛直対流は,隣合う上昇流と下降流の束になる。
    そして上昇流・下降流は下から上まで一本なのではなく,支流に分岐し,そして各レベルにおいて絡み合う:


    上昇流は,周りの流体粒子を吸い込む渦柱になる。
    下降流は,周りに流体粒子を押し出す渦柱になる。

    2種類の渦柱の束は,2種類の渦の回転方向が逆であれば安定する (「ベナール渦」):

    地球の進化は,大気の鉛直対流に対し,この安定を実現する。(進化論の謂う「自然選択」! )

    渦の回転方向は,北半球で,上昇気流が左回り,下降気流が右回りになっている。
    これは,進化の過程 (偶然の積み重ね) でこうなったというものであり,いまから説明がつくことではない。
    回転方向が逆──これが要点である。


    周りの空気を吸い込む渦は,中心部に向かって気圧が連続的に低くなる。
    こうして,渦の中心部に吸い込まれる風の流れは,等圧線と重なることになる。

    周りに空気を押し出す渦は,周辺部に向かって気圧が連続的に低くなる。
    こうして,渦の中心部から押し出される風の流れは,等圧線と重なることになる。

    残りの風は,渦と渦の間を,渦の回転に駆動されて流れる風である。
    渦の縁は,等気圧を現す。
    よってこの風の流れも,等圧線と重なることになる。
図は渦柱の高さを極端に強調している
──実際の高さは,渦の直径の100〜1000分の1

    以上合わせて:
      《風の流れは等圧線と重なる》



    気象学は,「風の流れが等圧線と重なる」について,つぎのような回りくどい説を立てている:
     「 気圧の高い・低いが,先ず有る。
    空気は,気圧の高いところから低いところへ流れ,風となる。
    よって,風は等圧線と直角に流れる。
    しかしここで,進行方向と直角にコリオリ力がはたらく。
    こうして風は,等圧線に沿って流れる格好になる (「地衡風」)。

     『気象学は「偏西風」を間違う』