Up 報酬設定 作成: 2026-07-24
更新: 2026-07-24

4足歩行ロボット自律型訓練疲労/空腹感報酬設定

    ここまで,つぎのことをした:
      疲労感 F(t),空腹感 H(t) を 0〜1 に正規化
      閾値 F_low, F_high, H_low, H_high を設定

    報酬設定は,これを使って以下のようにする::


    1. 疲労感 F(t) に対する報酬関数
     方針:
      軽い疲労:ほぼ無視(行動を止めない)
      中程度:じわじわペナルティ
      高疲労:一気に強いペナルティ(無理させない)

    1.1 区間を3つに分ける
      低疲労域:0 ≤ F(t) < F_low
      中疲労域:F_low ≤ F(t) < F_high
      高疲労域:F_high ≤ F(t) ≤ 1

    1.2 報酬関数の例
    疲労ペナルティ R_F(t):
     R_F(t) =
       0          (F(t) < F_low)
       −k_1 (F(t) − F_low)  (F_low ≤ F(t) < F_high)
       −k_2 (F(t) − F_high) − C_F  (F_high ≤ F(t))
      k_1:中疲労域の “じわじわペナルティ” 傾き
      k_2 ≫ k_1:高疲労域で一気に強くする
      CF > 0:高疲労域に入った瞬間の「段差ペナルティ」

    意味合い:
      少し疲れているくらいでは行動を止めない
      だんだん疲れてくると「無理するほど損」と学ぶ
      高疲労域では「この状態を続けるのは最悪」と学ぶ


    2. 空腹感 H(t) に対する報酬関数
    方針は,「疲労」 と似る。
    ただし,「空腹」 は「帰巣・採餌」(ステーションに戻ってバッテリー充電) を促すシグナル。
    よって,つぎの2つをセットにする:
      ペナルティ
      帰巣行動に対するプラス報酬

    2.1 区間
      低空腹域:0 ≤ H(t) < H_low
      中空腹域:H_low ≤ H(t) < H_high
      高空腹域:H_high ≤ H(t) ≤ 1

    2.2 空腹ペナルティ R_H^pen(t)
     R_H^pen(t) =
       0  (H(t) < H_low)
       −m_1 (H(t) − H_low)  (H_low ≤ H(t) < H_high)
       −m_2 (H(t) − H_high) − CH  (H_high ≤ H(t))
      m_1:中空腹域のペナルティ
      m_2 ≫ m_1:高空腹域で急激に悪化
      C_H > 0:高空腹に入った瞬間の段差ペナルティ

    2.3 帰巣・採餌へのプラス報酬 R_H^home(t)
    空腹が高いときに「帰巣・採餌」を選ぶと,プラス報酬を与える。

    行動 a_t が「帰巣」または「採餌」であるとき:
     R_H^home(t) =
       0         (H(t) < H_low)
       +q_1 (H(t) − H_low)  (H_low ≤ H(t) < H_high)
       +q_2 (H(t) − H_high) + B_H  (H_high ≤ H(t))
      q_1, q_2>0:空腹が強いほど「帰巣・採餌」が得
      B_H > 0:高空腹で帰巣を選んだときの “ご褒美”

    意味合い:
       空腹が軽いときは,まだ探索・目的地追跡を続けてもよい
    空腹が強くなるほど「帰巣・採餌を選ぶ方が得」と NN が学ぶ
    高空腹で帰巣を選ぶのは「最善手」として強く強化される


    3. 総合報酬
    時点 t の総合報酬:
      R(t) = R_task(t)
         + R_F(t)
         + R_H^pen(t) + R_H^home(t)
      R_task(t):
       「目的地に向かう・着く」 の訓練で設定した報酬

    意味:
       目的地に近づく・着く:プラス
       体調を悪化させる:マイナス
       危険状態で無理を続ける:大きなマイナス
       適切なタイミングで休む/引き返す:プラス

    要点:
    意味合いの違う報酬の値を,(荒っぽく) ただ足す。
    思いは,
      「目的地に向かう」 と 「体調を守る」 が
       同じ枠組みの中で最適化される
    そしてこれが,本当になる。
    NN は
      疲労・空腹を無視して突っ走ると損
      適切なタイミングで休む・帰巣すると得
    を学ぶ。

    RL の報酬の思想 (方法論) は
      “世界の評価を1つのスカラーに潰す”
    この方法は,
      脳は,世界を分析しない
      ──分析せずに最適な行動を返すシステム
    と対応している。