Up 2019-03-03,実験開始 作成: 2019-03-03
更新: 2019-03-11


    「<見えない>は「無い」」の実験 によって,ハシボソガラス 01 (「ボソO1」) は,♂♀ともに,つぎの行動をするようになっている:
    • 紙の蓋をめくって餌をとる
    • 一方の穴でこれをすると,引き続きもう一方の穴でこれをする
    本日はその穴 (2つ) をそのまま用い,蓋を「有」「無」を書いた円板の厚紙に変えた。

    ボソ01 は《蓋をめくって餌をとる》を最初から行った。──蓋の変更は,01 にとって躓きとはならなかった。
    そして,各回必ず両方の穴をチェックする。
    即ち,行動が
        「無」→「有」
        「有」→「無」
の二通りになる。
さらに,済ませた穴をもう一度チェックするという行動も現す。
      「無」→「有」→「無」
      「有」→「無」→「有」

今回の実験のまとめ
  • ボソ01 は「有」「無」を区別しない。
  • 実際,つぎの2つの行動パターンをランダムに現す:
        「無」→「有」→「無」
        「有」→「無」→「有」
    これは,「しらみつぶし」「念を入れる」を採餌ストラティジーにしているということである。
    したがって,《このストラティジーが不具合になるような設定にしなければ,このままがずっと続く》と考えることになる。
  • このストラティジーを不具合にする方法は,つぎのものである:
      《穴の数を増やし,「無」の数を増やす》
    これは様子を見ながら考えることにする。


余談
ボソ01 は,♂が♀に対し,餌を独り占めしようとする。
そして♀は,独り餌に向かうときも,どんくさく動作するので,♂に追いつかれ先取りされてしまう。
この実験でも,♀がまったく餌をとれない状態が続く。
そんなとき,♀が鳴き声を発した。
すると,♂が引き下がって,実験を♀に譲るふうになった。
「♀がイライラして癇癪を起こしたので♂が引き下がった」というふうに解釈したいところだが,一度のことではまだなんとも言えない。