Up 大衆は密告する 作成: 2021-07-04
更新: 2021-07-04


    論考は,推論である。
    推論は,推理──理を推す──である。
    推理なので,未来の予見になる。

    本テクスト「ユ二フォーム」を書いた翌日(!) に,つぎの報道があった:
      読売新聞, 2021-07-03
    飲食店のコロナ対策 グルメサイトで監視
    政府,客から情報
     政府は月内にも、飲食店が新型コロナウイルスの感染対策をきちんと講じているか、グルメサイトを使って監視に乗り出す。 店の利用客にアンケートに答えてもらい、対策が不徹底な店が見つかれば、都道府県に改善を指導させる。
     政府は、飲食店に①アクリル板の設置または座席の間隔確保②手指消毒の徹底③換気の徹底④食事中以外のマスク着用の推奨──を求めている。 ただ、店によっては取り組みが不十分なケースもある。 そこで、政府はグルメサイトの「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」と協力し、店がこれら4項目を徹底しているか、利用客にアンケートをすることにした。
     アンケート結果は、政府が都道府県に情報提供する。 これを受け、都道府県は対策が不十分な飲食店に改善を指導する。 政府は別にコールセンターも置き、幅広く情報を集める方針だ。

     「密告サイト」


    大衆であることは,正義に洗脳されていることである。
    正義は,反正義をヘイトする。
    大衆は,反正義をヘイトする。

    ひとは「ヘイト」のことばを「差別」と混同して用いる。
    二つはまったく別のことである。
    「ヘイト」は,「おまえみたいのはこの世から無くなれ」である。
    「差別」は,これではない。
    実際「女性差別」は,「女性なんかこの世から無くなれ」ではない。

    「ヘイト」は,「おまえみたいのはこの世から無くなれ」であるから,「殺戮」がこれの実践形態になる。
    「虫」をヘイトする者は,殺虫剤を用いる。
    「菌」をヘイトする者は,除菌剤を用いる。
    これは「殺戮」を実行しているわけである。


    自由は,非正義である。
    大衆にとって,非正義は反正義である。
    こうして大衆は,自由をヘイトし殺戮したいと思う者である。

    ただし,殺戮は自分では行いたくない。
    そこで,殺戮機関に殺戮対象を教える。

    この行為──「密告」──は,「この世から無くすべきものを,無くす」に貢献する行為であるから,良心の呵責のようなものはまったくない。
    しかも,密告したら褒美がもらえる。
    上のグルメサイトの場合だと,「アンケートに答えてポイントゲット」みたいなことになるわけである。


    よくよく認識すべし。
    密告の恐怖体制は,現実のものである