Up おわりに 作成: 2014-07-03
更新: 2014-09-22


    筆者は,学校数学の系の中に棲むようになったかなり早い段階で,学校数学を何かの目的達成の企画と定めるような考え方から離れていった。
    そうさせたものは,現実感覚である。
    以来,学校数学の意味の言語化を,課題として負う格好になった。

    課題への取り組みは,結局,2008年まで先延ばしされることになる。
    現職のリタイアから逆算して時間がないとなった 2008年,所属学会の論文発表会で 2014年まで毎年発表していくことにした。
    数年を要するとしたのは,大部な内容の論をつくろうというのではなく,もともと危うい論なので,思いつきを避けるためにゆっくりやろうということであった。
    これの足跡ということになったテクスト (オンラインブック) には,つぎのものがある:

    そして,本論考『学校数学現成論』を以て終わりとなる。

    論考には,文献研究は直接は入っていない。
    「思想的影響云々」を言わないことにすれば (実際,自分の思想形成は,自分でもわからないものである),専ら筆者の経験論である。
    ただし,『学校数学現成論』において,「現成」の説明にオートポイエーシス的システム論を流用した ( §「オートポイエーシス的システム論」)。 学術 (科学) の論としてつくられているので,同系の道元「現成」, スピノザ「コナトゥス」と比較して,言説が明解である。
    「学校数学現成論」も学術 (科学) のグラウンドに繰り込んでいかねばならないのだが,本論考は,この課題に言及するに留まった ( §「学校数学形態形成学」)。


    以上は,2014-07-08 に最終更新した「おわりに」である。
    この中で,「そして,本論考『学校数学現成論』を以て終わりとなる。」と書いた。
    しかし,これで終わりとはならず,これの後につぎを加えることとなった:
    (2014-09-22)