Up 「奇跡」を標榜していることについて 作成: 2007-10-07
更新: 2007-10-13


    「向山型算数」とはどういうものか?
    指導案を紹介しているサイトをウォッチングした限りでは,算数をつぎの形で指導することを「向山型算数」と称しているようだ:

    • 教師が生徒の行うことを細かく指示する。生徒がこれに従う。
    • この教師と生徒の行動は,「教科書に対して/教科書の上で」の形を貫徹する。


    TOSS のウェブサイト (「TOSSランド」) の「算数・数学」のトップページで,「向山型算数」とは何か?を伝える文言は,つぎのものである:

      向山型算数とは?
      向山型算数は「教科書をリズムよくテンポよく教える」指導法です。全国の教室で「平均点90点以上」「できない子ができるようになった」という事実が生まれています。

    ちなみに,同じページにつぎのアナウンスがある。 「知りたかったらセミナーに来なさい」ということのようだ。

      向山型算数セミナー情報
      向山型算数のリズム・テンポはライブでしかわかりません。向山型算数の最新情報を得ることができるのが向山型算数セミナーです。‥‥
      申し込みがすでに始まっています。キャンセル待ち必至 ! ‥‥
      詳細は向山型算数全国縦断セミナーをご覧ください。


    明治書籍のサイトで『教え方のプロ・向山洋一全集78 \“教えないから分かる\” 向山型算数』の立ち読みができる。これの中で「向山型算数」が「奇跡」であること,「炸裂」していることを伝えている:[ここをクリック]

    「炸裂」の含みは,「人々が殺到している」である。そして,これに対する読者の解釈はこうなる:

      あなたはまだ向山型算数を知らないで,損をしている。

    また,ここでも,向山型算数のすばらしさは「ライブでしか分からない」と言っている。やはり:

      ともかく,セミナーに来なさい。

    ということのようだ。

    以上のような調子は,従来型の教員主体の研究実践団体にはないものである。 教育を論ずる文章としても,ひどく異質である。


    断言するが,算数数学教育に奇跡のメソッドなど存在しない。
    「奇跡」ということばを使うのは,つぎのどれかである:

      A.「奇跡」だと勘違いしている
      B. 人寄せのために「奇跡」のことばを使う
      C. 宗教

    詐欺商法は B の場合だ。
    そこで,ここは A の場合で考えることになる。

    勘違いは,思考停止といっしょである。
    思考停止されているものは,つぎの2つある:

    1. このメソッドの射程/分限 ( メソッドの射程/分限)
    2. 教師・生徒の救済と教授/学習方法の適切さが,別問題であること ( メソッドのタイプ:大乗)