Up いろいろな数がつくられるしくみ  


オンラインブック版
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作成: 2004-11-04
更新: 2011-01-06


作成/更新履歴
  • オンラインブック作成 (04-11-04)


  • 「数」がわかる本 シリーズ



       
      最初に,量表現の動機がある。

      量の表現は,相対的につくられる。
      すなわち,他のある量と比べてどれだけというふうに表現される。

      このときの「比べてどれだけ」を言い表したのが,「数」である。
      数は,2量の比の表現としてつくられていることになる。

      量の表現としてつくった数は,上手につくることで,量計算ができるものになる。
      こうして,数は,量表現の道具であるとともに,量計算の道具になる。

      量表現は,単純な量から始められる。
      最初の量は,「個」の集まりに対して感じられるところの量である。
      この量を表現しようとしてつくられる数が,自然数である。
      そしてこのとき,量は「個数」として表現される。
      自然数は,さらに「n進数」としてつくることで,量計算がうまくできるものになる。

      つぎに,ひとは,棒の長さのような量を表現しようとする。
      このときの量は,「任意に部分をとれる」を特徴にする。
      ここでは,「個」を立てることができないので,自然数は役立たずということになる。
      そして,このタイプの量を表現しようとしてつくられた数が,分数である。

      つぎに,ひとは,「正逆二方向をともなう大きさ」を量として考え出す。
      イメージとしては,「直線上の移動の大きさ」である。
      そして,このタイプの量を表現しようとしてつくられた数が,正負の数である。

      正負の数に対する量を「直線上方向自由な大きさ」(自由:正逆二方向) ととらえるとき,この量のつぎに来るものは,「平面上方向自由な大きさ」である。
      そして,このタイプの量を表現しようとしてつくられた数が,複素数である。

      この先にくるものは?
      「空間内方向自由な大きさ」ということになる。
      そして,実際,このタイプの量を表現する数がつくられた。
      四元数である。

      この先も,考えることはできる。
      ただしこのときは,純粋に<形式>の話になっていく。
      よって,生活感覚的に実際的な数としては,四元数までを考えることになる。