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松浦誠・大滝倫子・佐々木真爾 (2005), pp.59-61
体長は、女王16〜18mm、働きバチ11〜14mm、オス13〜17mm。
いずれも体は黒色で、斑紋は白色。
いずれのカストも前種ニッポンホオナガスズメバチに酷似し、
本種のメス ( 女王・働きバチ) は頭楯中央にある帯状の黒斑の下方に細いくびれがないことにより区別する。
しかしオスは前種と同様に斑紋の変異が多く、確実に区別するには交尾器の形態を調べる必要がある。
分布:
北海道、本州、四国の1,000〜2,000mの山岳地帯に生息するが、北海道や東北地方では稀に山麓の平地でも営巣例がある。
日本産は亜種 D. norvegicoides pacifica Birula という。
世界中に広く分布し、アジア北東部、北ヨーロッパ、北アメリカにも分布している。
発生経過:
営巣期間は7〜9 月の3〜 4 ヶ月間と短い。
女王は通常6月に巣を創設し、働きバチは7〜9 月に現われ、オスと新女王は7〜9 月に羽化する。
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営巣後期の巣
造巣習性:
営巣場所は木の枝、軒下で、しばしば土中にも見られる。
巣は提灯状で、外被は灰色のシート型をしており、他のホオナガスズメバチの巣とよく似ている。
営巣規模:
女王のつくる育房数は30〜45房。
働きバチ羽化後の巣は、直径20〜30cm、巣盤数は3〜 4 個、育房数は300〜2,000房となる。
働きバチは7〜8月の最発達時には50〜150頭となる。
オスと新女王はそれぞれ50〜200頭が羽化する。
食性:
生きた昆虫だけを餌とし、ハエ、アブ、クモなどを狩る。
攻撃性:
攻撃性、威嚇性はあまり強くないが、働きバチの多くなる7〜8月に巣を刺激すると激しく攻撃してくる。
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