Up 福島市・飯舘村の放射線量数値が高い理由 作成: 2011-04-09
更新: 2011-04-09



 月/日  福島市
3/20 17:30 6.0μSv 15:05 2.5μSv
3/21 08:49 4.5μSv
13:38 5.0μSv
11:08 1.1μSv
3/22 09:01 3.5μSv
15:55 5.2μSv
14:10 3.4μSv
3/23 09:40 4.0μSv
19:15 3.5μSv
3/24 07:45 3.4μSv
16:12 3.6μSv
12:28 1.6μSv
3/25
3/26 09:14 2.5μSv
15:10 2.5μSv
12:49 0.9μSv
3/27 09:41 2.5μSv
15:09 3.5μSv
12:00 0.9μSv
3/28 07:33 3.2μSv
17:33 2.1μSv
12:19 0.3μSv
3/29 08:48 2.1μSv
17:06 1.9μSv
3/30 08:53 2.0μSv
17:54 2.0μSv
12:26 0.2μSv
3/31 09:07 1.8μSv
15:50 2.6μSv
10:57 0.8μSv
4/1 08:48 2.7μSv
18:07 1.7μSv
11:03 0.6μSv
4/2 08:49 1.8μSv
16:20 1.9μSv
11:01 0.6μSv
  


    福島市と同様のことは,飯舘村についても言える。 ( 被曝量の計算──飯舘村役場)
    さて,どうしてこうなるのか?

    つぎは,福島市,飯舘村,20〜30km圏内3地点 (A, B, C) それぞれの,放射線量(率) の時間的変化のグラフである:




福島市


飯舘村


20〜30km圏内3地点 A, B, C

    これからつぎのことが窺える:
    1. 各地域でこれまで続いている放射線量は,福井第一原発の最初の水素爆発で飛散した放射性物質がそこにどのくらい降ってきたかで,ほぼ決定される。
      すなわち,最初に降り積もった放射性物質の量に比べると,後から降ってくる放射性物質の量は小さく,最初の分の減少が,そのまま<放射線量の推移>の形になる。

    2. 最初に降り積もった放射性物質の量は,福井第一原発からの距離に直接応ずるものでない。 ──福島市や飯舘村の放射線量数値が相対的に高いこと,AとBは近い距離にあるにもかかわらず放射線量数値に開きのあることが,このことを示す。

    実際, 最初に降り積もった放射性物質の量の<地域による偏り>は,アメリカのエネルギー省の http://blog.energy.gov/content/situation-japan/ に掲載されている 3/22 データの中のつぎの図に表されている:



    そして,なぜこのような形になるのかは,武田邦彦氏のつぎの論説が教えてくれる:    

    こうして,つぎの結論となる:

    1. 原発の最初の水素爆発で,大量の放射性物質が,<帯状の雲>状態で遠方に運ばれた。 <帯状の雲>を形成したものは,そのときの気象である。
    そして,たまたまその方向に,地点Aや飯舘村や福島市があった。
     
    2. 爆発は継続しないので,帯状の雲は尻切れの形になる。 また,これ以降に原発から飛散してくる放射性物質の量は,爆発のときのものよりずっと少ない。
    こうして,つぎのようになる:
    各地域での放射線量の推移は,最初の爆発で飛散した放射性物質がそこにどのくらい降ってきたかで,ほぼ決定される。 すなわち,最初に降ってきた分の減少が,そのまま<放射線量の推移>の形になる。