Up | 「悪人正機」: 道元の「現成」と同じ | 作成: 2017-03-15 更新: 2017-03-15 |
世直しを思いこれを行う者──改革派,人権派,エコロジスト,貧窮国援助者,等々──は,「善人」である。 したがって,世の流れに身をまかせて生活するだけの者は,彼ら「善人」に対し「悪人」ということになる。 ところで,「善人」はろくなことをしない。 改革派は,ひとの営みをグチャグチャにする。 人権派は,偽善をひろげ,憎しみをつくり出す。 エコロジストは,特定種・特定事象をひいきにして,生態系を歪ませる。 貧窮国援助は,援助金品の寡占とねたみを生み,内戦に進ませる。 どうしてこうなるかというと,道理は「天網恢々疎にしてして漏らさず」の方にあるからである。 そこで,道理に近いのは,世の流れに身をまかせて生活するだけの者たち──「悪人」──の方である。 よって,「悪人正機」となる:
だったら,道理に順っている悪人は,なおさら往生できるだろうよ。」
親鸞の「他力本願──悪人正機」は,道元の「現成」と同じである。 仏教は,「無為」が存在哲学である。 「無為」は,個人の趣味で色々に表現される。 「他力本願──悪人正機」であったり「現成」であったり,というわけである。 |