Up 気象学の「コリオリ力」の用途は「転向力」 作成: 2022-10-17
更新: 2023-02-06


    気象学は,風の流れを説明に「コリオリ力」を使おうとする。
    このときの「コリオリ力」の意味は,「転向力」である。

    既に見たように,「コリオリ力=見かけの力」では,風の流れの「等圧線に沿って流れる」を説明できない。
    実際,気象学が「コリオリ力=転向力」を論じているとき,気象学は「コリオリ力=見かけの力」を捨てているのである。
    しかし気象学はといえば,このことを意識していない。


    初学者は,このちぐはぐを──分析できなくても──感じ,困惑する。
    しかし困惑していたら,前に進めない。
    そこで,「コリオリ力=見かけの力&転向力」を無理矢理飲み込む。

    「コリオリ力=見かけの力&転向力」を無理矢理飲み込むのは,学者でもそうである。
    ただしこの場合は,「裸の王様」の話の《わかっているふり》である。


    気象学が「コリオリ力」を語るときは,方向を語るだけで,その大きさは問題にしない。
    これは,「大きさはいまは問題ではない」と考えているからではない。
    大きさについては,思考停止しているのである。

    この思考停止は,《思考停止が必要なので,思考停止することになる》というものである。
    実際,大きさを持ち出したら,現実の風の動きと合わない転向になり,「コリオリ力=転向力」を説けなくなるのである。