Up 風の惰性を読む 作成: 2022-07-05
更新: 2022-07-05


    現前の「大気力学」は,風が流れる様を「コリオリ力」で説明する。
    その説明は,大間違いである。──そもそも,コリオリ力をまるでわかっていない。

    風の流れを左右するような力は,コリオリ力には無い。
    コリオリ力は,風の流れに影響する力としては,非常に小さいのである。


    いまある風の流れは,過去から今に至っているものである。
    いまの風の流れは,過去の延長である。
    この惰性が,風のいまからの流れを大きく決める。

    気象予報士がまあまあの予想をできているのは,惰性を読んでいるからである,
    一方,「大気力学」の (気圧傾度力がどうのこうの,コリオリ力がどうのこうのの) アブストラクトナンセンスにはまる者は,実際の気象をまったく当てられない。


    風の流れは,大気全体で連続している。
    風は3次元のあらゆる方向に流れている。
    ひとは風の流れを天気図の描く風の流れでイメージしてしまうが,その風は地表数メートルの平均的流れを描いたものである。

    その天気図には,風の流れの断絶が現れることがある。
    そこは,風の上昇ないし下降が起こっているところである。

    上昇/下降の風の流れは,周りの風に渦を形成させる。
    「高気圧」は下降風が導く広範囲の渦形成のことであり,「低気圧」は上昇風が導く広範囲の渦形成のことである。


    現前の「大気力学」は,風の渦形成にもコリオリ力を持ち出してくる。
    繰り返すが,コリオリ力にそんな力はない。

    風の渦を説明するものは,つぎの二つである:
    1. 惰性 (過去の延長)
    2. 流体力学の中の渦力学