Up 『気象学は「コリオリ力」を間違う』: はじめに 作成: 2023-02-08
更新: 2023-02-08


    気象学は,「コリオリ力」を修めないと先に進めない構成になっている。
    ところが,これが何とも奇妙な内容なのである。

    先に進もうとすれば,これを飲み込まねばならない。
    実際,これを飲み込まないということは,これに替わるものを自分でつくらねばならないということである。

    わたしは,飲み込めないので,これに替わるものを自分でつくってみることにした。
    方法は,数学と現象学である。
    「コリオリ力」は,<自転球体上の移動>の数学に収まる内容のものであり,物性論を用いないからである。


    そして,<自転球体上の移動>の数学をつくり,<自転球体上の移動>をシミュレートしてみた。
    結果は,気象学の謂う「北半球では運動は右に曲げられる」のようなものにはならなかった。

    また,気象学は「コリオリ力」を風の流れの説明にする──「気圧傾度力」と「コリオリ力」を使って風の流れを「地衡風」として説明する──のであるが,こちらの方は<話の順序の転倒>が見て取れた。
    風の流れは渦であるが,風の流れが渦になるのは,そこに渦があるからである。
    「気圧傾度力」とか「コリオリ力」とかが風を渦へと工作するわけではない。

    実際これは,天気図を見れば直ちに明らかになることであった。
    <自転球体上の移動>の数学をつくるような手間は,かからなかった。


    後者の作業は,つぎのテクストにまとめた:
    そして前者の作業をまとめたのが,本テクスト『気象学は「コリオリ力」を間違う』である。

    本テクストは小部であるが,<自転球体上の移動>の数学を参照に留めたためである。
    実際この数学はシミュレーションがゴールであったので,このテクストのつぎの項を見てもらえば,本テクストの目的は達せられる: