Up 気象学は「風の渦は転向力がつくる」と思う 作成: 2022-10-21
更新: 2023-02-08


    鉛直対流は,上昇流・下降流の渦柱をつくる。
    地上天気図の風の渦模様は,この渦柱の地上部である。

    しかし気象学は,風の渦模様は「コリオリ力=転向力」がつくると思う。
    風が等圧線に沿って流れるのを,「コリオリ力=転向力」で説明しようとする。
    こうしてつくられたのが,「地衡風」という虚偽概念である。


    気象学は,「コリオリ力=転向力」を,円運動の「向心力=転向力」みたいに思っている。
    転向力一般が円運動をつくるみたいに思っているのである。

    しかし円運動は,向き・速さに一定の条件が要る。
    質点の回転で渦模様をつくるときも,同類の条件を設定する。
    一方,自転球体の上の移動は,向き・速さがカオス論的に変化する。
    この結果,移動に働く転向力は,円や渦の模様をつくることにはならないのである。



    気象学の「コリオリ力」に感化されると,台風の渦を「コリオリ力」で説明し出すようである:
2022-10-09 読売新聞「くらし」面



    彼らは「右方向に曲げられるので,反時計回りの渦ができる」を作図で試そうとしたことはないらしい。
    なぜなら,この作図はひどく悩ましいものになるからである:
「右方向に曲げられる」で作図をすると,時計回りになってしまう:


反時計回りの作図は,つぎの無理矢理な作図になる:

    渦は,<一つの小さな出口に殺到>が生成する形状である。
    ここには,「コリオリ力」の出る幕は無い。