Up 「標本調査」の指導 作成: 2014-06-17
更新: 2014-07-24


「標本調査」の主題研究
「統計」の指導




    「標本調査」の主題の構成は,順番を含め,つぎの通りである:
重み付き
連続 度数分布
ヒストグラム
度数分布グラフ一般
正規分布
平均
平均の定義 (「加重平均」の拡張)
平均の計算
正規分布の平均
分散
分散の定義
分散の計算
正規分布の分散
確率分布
正規分布
標本調査

    特に,「標本調査」を数学科の内容に組み入れるとは,これらの主題の授業が実現されることを見込むということである。
    翻って,これらの主題を授業にのせられないのであれば,「標本調査」は数学科の内容になるものではない。

    なぜ,このことを改めて述べるかというと,平成23年度の中学校学習指導要領改訂で,「標本調査」が第3学年の内容にされることになったからである。
    ( 平成23年度中学校学習指導要領「標本調査」)

    学習指導要領は,「箱物公共事業」の一つである。
    現場は,箱の中身を埋める作業に入る。
    このことで,現場が活性化し,さらには社会の活性化につながる。

    「箱物公共事業」は,当座の「活性化」に本質があり,箱の中身が埋まるかどうかは本質的な問題ではない。
    実際,「箱物」は中身が埋まらないままになり (ゆえに「箱物」という),それの後始末を現場は負担していくことになるわけである。

    中学数学の「標本調査」は,箱物である。
    実際,『学習指導要領解説』 が提示している授業は,何のことはない,「生徒の話し合い」への丸投げである。
    しかし,「箱物」としては,これでよいのである。

    教師は,「生徒の話し合い」の回収の仕方で悩む立場である。
    数学科の回収方法は<数学の提示>であるが,この場合,提示できる数学がないからである。
    繰り返すが,「標本調査」を数学科の内容にするとは,「標本調査」の数学を授業することである。 そして,その数学は,上に示したものである。 しかしこれは,中学数学では扱えない数学である。
    かといって,《「標本調査」の単元は,たいそうに考えずに,子どもを遊ばせていればよい》調で授業を構成できるわけでもない。