Up 「算数・数学科授業作法」 作成: 2014-07-29
更新: 2014-08-04


「算数・数学科教育法」
オンラインブック版
PDF 1.27 MB

作成: 2014-08-02
更新: 2014-08-04


   
 はじめに


 I 部 授業法 ── 授業の論理

「授業」を論理的概念と定めるとき,これの論理的含意を述べることが,即ち「授業法」を述べることになる。
I 部ではこれを行う。


 1 授業法

 1.0 要旨

 1.1 何の授業であるかを定める :「○○の授業」
  1.1.1 「○○」は,数学

 1.2 授業のゴールは,生徒が○○をわかる/できること
  1.2.1 「○○がわかる・できる」の中身を定める
  1.2.2 「○○がわかる・できる」の生徒仕様を定める

 1.3 肝心を行う──余計を行わない
  1.3.1 「わかる・できる」の実現にとって肝心なことだけを行う


 2 「わかる・できる」とは?

 2.0 要旨

 2.1 「わかる・できる」は,カラダの変容
  2.1.1 「学習」は,カラダの変容
  2.1.2 カラダのことは,捉えられない──現象が捉えられるのみ
  2.1.3 相手は,神経ネットワーク

 2.2 反復練習
  2.2.1 反復練習が,カラダづくりの基本行動
  2.2.2 何回も繰り返すことをやって,だんだんとカラダがつくられる

 2.3 「教え込みはダメ」は, <教える>がわかっていない者の言
  2.3.1 「注入」のイメージが間違っている
  2.3.2教え込みはダメ」は,教える力がないことの合理化


 3 「肝心」とは?

 3.0 要旨

 3.1 「肝心」は,ゴールへの直進
  3.1.1 生徒にゴールを示し,勝手に行かせる

 3.2 「肝心をしないで余計をするのが,素人」
  3.2.1 「素人は,肝心をしない」
  3.2.2 「素人は,余計をする」



 II 部 「授業法」で授業はできない

授業法を述べることは,授業法を一般概念で述べることである。 これは,「箱」を述べることである。 箱を示されても,それで授業ができるようにはならない。 授業は,箱の中身になるものだからである。
II 部ではこのことを論じる。


 4 授業法の記述は,箱物記述

 4.0 要旨

 4.1 授業法記述が箱物記述になる構造
  4.1.1 「形式と内容」
  4.1.2 述べる = 一般概念で述べる = 箱を述べる

 4.2 内容的な授業指南の形
  4.2.1 範例
  4.2.2 OJT



 III 部 算数・数学科は,内容が没論理 ── 授業できる方がおかしい

算数・数学科は,内容が数学の別物化であり,没論理。これの授業は,論理・構造上,立たない。 だからといって,「数学に戻す」とはならない。 結局,算数・数学科の授業は,できるものではない。
III 部ではこのことを論じる。


 5 算数・数学科の授業は,論理・構造上,立たない

 5.0 要旨

 5.1 算数・数学科の内容は,数学の別物化
  5.1.1 「生徒用にわかりやすくした」ではなく「数学の別物化」
       ──没論理が授業内容


 5.2 算数・数学科の授業は,できないのが当然
  5.2.1 「別物」の授業は,論理が立たない
       ──授業のゴールが立たない,指導法が立たない

  5.2.2 教員は, 「算数・数学科は数学の別物化」を捉えられない
  5.2.3 なまじ数学を知っていると,却って授業できない

 5.3 「数学に戻す」というものでもない
  5.3.1 数学の授業にしても,数学の修行がベースに
  5.3.2 数学は難しい──数学の授業は迷惑


 6 算数・数学科の授業にまつわる各種幻想

 6.0 要旨

 6.1 「授業ができるようになる」
  6.1.1 「算数・数学科の授業ができる教員」の幻想
  6.1.2 「算数・数学科の授業ができるようになる特効薬」の幻想

 6.2 「授業がうまい」
  6.2.1 「授業がうまい」は,エンターテナーとして優秀ということ
  6.2.2 「授業がうまい」は,自己満足/ナルシシズムへの陥穽

 6.3 「高次目標」
  6.3.1 教員は,生活単元をつくることになる高次目標に惹かれる
  6.3.2 授業と高次目標はつながらない ── このことに思考停止

 6.4 「わかる/できる子・わからない/できない子」
  6.4.1 「わからない/できない子」は,授業不如意の合理化



 IV 部 授業は,何であれ行われる

授業は,何であれ行われる。教員は,授業することになっている。 これが「算数・数学科の授業」を現す。この構造は,「現成」である。
IV 部ではこのことを論じる。


 7 授業は,何であれ行われる

 7.0 要旨

 7.1 教員は,授業することになっている
  7.1.1 学校数学は生態系
  7.1.2 授業は, 何でもあり

 7.2 「算数・数学科の授業」の現象構造──「現成」
  7.2.1 授業は, 教員個のその都度の授業位置取り
  7.2.2 「算数・数学科の授業」は,教員個の授業位置取り行動の総合
  『学校数学現成論』



 V 部 授業作法

「算数・数学科の授業」は,論理的概念ではない。 教員の授業行動も,「自由な実践」の捉えになる このとき,授業行動規範を主題にする形は,「授業法」から「授業作法」にかわる。
V 部ではこのことを論じる。


 8 算数・数学科授業作法

 8.0 要旨

 8.1 授業は,教員の独自・自由
  8.1.1 授業は,教員の独自・自由であるのみ

 8.2 算数・数学科授業作法
  8.2.1 「授業法」から「授業作法」へ
  8.2.2 <己>が勝手に運動する ── 作法を考えないのが作法
  『「授業運」論』


 おわりに