Up 「授業運」論 作成: 2013-01-17
更新: 2014-05-02


Making『「学校数学」論』
最終論考 :『マクロ数学教育学──定立と方法』



オンラインブック版
PDF 1.76 MB

作成: 2014-05-02
更新: 2014-05-02


作成/更新履歴
オンラインブック版 (14-05-02)
  • 付言 (14-05-02)
  • 授業/学校数学の<生きる>のメカニズム (14-05-02)
  • 授業/学校数学は<生きる>の現象 (14-05-02)
  • 「授業の差異/格差」の要素 : 要旨 (14-04-18)
  • 「授業=人材選別」: 要旨 (14-04-18)
  • 指導法 : 要旨 (14-04-18)
  • 「授業の差異/格差」の現前 : 要旨 (14-04-18)
  • 「差異/格差」を割り引く (14-04-17)
  • 「授業運」受容の様相 : 要旨 (14-04-17)
  • 分野選択制 (14-04-17)
  • 現場裁量 (14-04-17)
  • <一律化>モーメント : 要旨 (14-04-17)
  • <一律>に対する<多様>の担保 : 要旨 (14-04-15)
  • <一律化>の各種装置 (14-04-15)
  • <一律化>による多様性コントロール (14-04-15)
  • 好き嫌い (14-04-15)
  • 似合う・似合わない (14-04-15)
  • 授業は, 「悪い授業」でなければどれも同じ (14-04-15)
  • 「よい授業」は幻想 (14-04-15)
  • 「差異/格差をひどくはしない」 (14-04-15)
  • 「授業の差異/格差」の程度 : 要旨 (14-04-15)
  • 授業の特個性 (「個の多様性」) : 要旨 (更新, 14-04-12)
  • 競争社会仕様の当たり外れ (更新, 14-04-12)
  • 指導法の当たり外れ (更新, 14-04-12)
  • 競争社会仕様 (更新, 14-04-12)
  • 「ジタバタ」 (更新, 14-04-12)
  • <遊ばせる> (更新, 14-04-12)
  • <教える> (更新, 14-04-12)
  • 「授業運」の答え (14-04-11)
  • 学校差異/格差 (14-04-09)
  • 学級差異/格差 (14-04-09)
  • 教師差異/格差 (14-04-09)
  • 地域差異/格差 (14-04-07)
  • 最終的答え (14-03-28)
  • 答えの構成 (更新, 14-03-28)
  • 時代差異/格差 (14-03-28)
  • 「幸運・不運」の指標をもてない現実 (14-03-27)
  • 「他の授業」を想像できない現実 (14-03-27)
  • 「主体的」の定立困難 (14-03-27)
  • 「授業運」に対する主体性の在りどころ : 要旨 (14-03-27)
  • 「授業の差異/格差」のタイプ : 要旨 (14-03-27)
  • 他と比べてもしようがない (14-03-27)
  • 「所与」 (14-03-27)
  • 「幸運・不運」と時間 (14-03-27)
  • 「幸運・不運」の場依存性/相対性 (14-03-27)
  • 「幸運・不運」の定立不能 : 要旨 (14-03-27)
  • 生徒の「授業運」の問い (14-03-26)
  • 教師の能動──生徒の誘発 (14-03-26)
  • 運の更新プロセス (14-03-26)
  • おわりに (14-03-22)
  • 学校数学の勉強は何のため?」の答え : 要旨 (14-03-22)
  • 「存在=運」 (14-03-22)
  • 目的論と存在論 (14-03-22)
  • 「運」の存在論 : 要旨 (14-03-21)
  • 「授業運」の存在論 : 要旨 (14-03-22)
  • 「運」は, 「個の多様生」と同義 (14-03-21)
  • 「初期位相」 (14-03-21)
  • 「他と大差あり」 (14-03-21)
  • 「一期一会」 (14-03-20)
  • 経験の有無 (14-03-20)
  • <一律化>モーメントとの均衡 : 要旨 (14-03-20)
  • 授業生徒関係の特個性 : 要旨 (14-03-20)
  • 「個の多様性」からの「形式陶冶」の導出 (14-03-17)
  • 学校数学と専門性の関係 (14-03-17)
  • 「数学本位・数学方便」 (14-03-17)
  • 人材選別 (14-03-16)
  • 「数学の勉強」レベルの個の多様性 (14-03-14)
  • 「数学の勉強」と「形式陶冶」の位置関係 (14-03-14)
  • 「数学の勉強」の個の多様性 : 要旨 (14-03-14)
  • 「運」に対する主体性の文化 (14-03-07)
  • 授業/学校数学の<生きる> : 要旨 (14-03-06)
  • 蠢動と定常均衡 (14-03-06)
  • 授業/学校数学の「何でもあり」: 要旨 (14-03-06)
  • 「学校数学現成」論 : 要旨 (14-03-05)
  • 世代忘却 (更新, 14-02-27)
  • 振り子運動 (更新, 14-02-27)
  • 攪乱と均衡回帰 (更新, 14-02-27)
  • 学校数学は, 安定系 (更新, 14-02-27)
  • 同一反復 (進歩しない) : 要旨 (更新, 14-02-27)
  • 蠢動の基本モーメント :《授業の成立》 (更新, 14-02-27)
  • 「授業」の生態系/物理系 (更新, 14-02-27)
  • 系は,視点の相対性 (更新, 14-02-27)
  • 「授業」の系 : 要旨 (更新, 14-02-27)
  • 授業は複雑系 : 要旨 (更新, 14-02-27)
  • 「ジタバタ」 (更新, 14-02-26)
  • <遊ばせる> (更新, 14-02-26)
  • <教える> (更新, 14-02-26)
  • 「授業運」の立論へ : 要旨 (更新, 13-10-11)
  • 授業は「何でもあり」 (13-10-10)
  • 「何でもあり」は「どれも同じ」: 要旨 (13-10-11)
  • 全体論考の中の,本論考の位置 (13-10-10)
  • 要約 (13-10-10)
  • 「個の多様性」の意味 :「システム定常均衡」 (13-02-24)
  • 「現成」の物理 :「複雑系」 (13-02-24)
  • 「特個」:「個の多様性」の「個」 (13-02-22)
  • 「形式陶冶」と「個の多様性」の合一 (13-02-21)
  • 「個の多様性」:要旨 (13-02-18)
  • 「授業運」の意識:要旨 (13-01-27)
  • 「授業運」認識の様相:要旨 (13-01-27)
  • 「授業特個」: 要旨 (13-01-27)
  • 「何でもあり」の内容 (13-01-27)
  • 授業の「何でもあり」 (13-01-27)
  • 生徒の能動 (13-01-25)
  • 「運」と能動 : 要旨 (13-01-25)
  • 「時間」 (13-01-25)
  • 「教師の当たり外れ」 (13-01-25)
  • 「当たり外れ」の現前 : 要旨 (13-01-25)
  • 行為 :「ジタバタを課す」 (13-01-25)
  • 機能 :「形式陶冶」 (13-01-25)
  • 「個の多様性」: 要旨 (13-01-25)
  • はじめに (13-01-25)
  • <同種>の中の<特個> (12-12-03)
  • 「授業運」論へ (12-09-03)
  • 「現成」の哲学 (12-09-03)
  • 「授業」の条件 : 要旨 (12-09-03)
  • 「個の多様性」 (12-04-21)
  • 作法 ── 授業一定化の契機 (12-04-21)



  •     
       導入

    本論考は,つぎをテーマにした全体論考の最終部分である: 《生徒からの「学校数学の勉強は何のため?」の問いは,どう答えることになるか?》
    本論考の前までの到達点は,「自分の学校数学の勉強は,自分にどんな得がある?」の問いに対する,つぎの答えである: 「得は,<形式> ──得は,形式が届くカラダ」(「その形式とは,‥‥」)
    この答えに対しては,「自分の学校数学の勉強とこれの得は,他と比べてどんな?」「自分の場合をどう受けとめたらよいか?」の問いが続くことになる。
    本論考は,「授業運」をこの問いに対する答えにしようとするものである。

     0.1 全体論考の中の,本論考の位置
     0.2 はじめに


     I 部 授業の差異/格差

    「授業の差異/格差」が,歴然としてある。
    これが,「自分の学校数学の勉強とこれの得は,他と比べてどんな?」「自分の場合をどう受けとめたらよいか?」の問いの理由である。

     1. 「授業の差異/格差」の現前

     1.0 要旨

     1.1 「授業の差異/格差」のタイプ
      1.1.0 要旨
      1.1.1 教師差異/格差
      1.1.2 学級差異/格差
      1.1.3 学校差異/格差
      1.1.4 地域差異/格差
      1.1.5 時代差異/格差

     1.2 「授業の差異/格差」の程度
      1.2.0 要旨
      1.2.1 「差異/格差をひどくはしない」
      1.2.2 「よい授業」は幻想
      1.2.3 授業は, 「悪い授業」でなければどれも同じ


     2. 「授業の差異/格差」の要素

     2.0 要旨

     2.1 「授業」の条件
      2.1.0 要旨
      2.1.1 機能 :「形式陶冶」
      2.1.2 行為 :「ジタバタを課す」
      2.1.3 作法 ── 授業一定化の契機

     2.2 指導法
      2.2.0 要旨
      2.2.1 <教える> (「数学本位」)
      2.2.2 <遊ばせる> (「数学方便」)
      2.2.3 「ジタバタ」

     2.3 「授業=人材選別」
      2.3.0 要旨
      2.3.1 人材選別
      2.3.2 学校数学と専門性の関係──「形式陶冶」
      2.3.3 競争社会仕様


     II 部 授業は複雑系

    「授業の差異/格差」は,授業を包摂する大きな複雑系の均衡相であり,この意味で必然である。
    この認識をもつために,授業に対する「複雑系」の捉えが要る。

     3. 授業は複雑系

     3.0 要旨

     3.1 授業/学校数学の系
      3.1.0 要旨
      3.1.1 系は,視点の相対性
      3.1.2 「授業/学校数学」の生態系/物理系

     3.2 授業/学校数学の「何でもありを以て均衡」
      3.2.0 要旨
      3.2.1 蠢動と定常均衡
      3.2.2 蠢動の基本モーメント :《授業の成立》
      3.2.3 授業/学校数学の「何でもありを以て均衡」
      3.2.4 「何でもあり」の内容

     3.3 授業/学校数学の「同一反復 (進歩しない)」
      3.3.0 要旨
      3.3.1 学校数学は, 安定系
      3.3.2 攪乱と均衡回帰
      3.3.3 振り子運動
      3.3.4 世代忘却

     3.4 授業/学校数学の<生きる>
      3.4.0 要旨
      3.4.1 授業/学校数学は<生きる>の現象
      3.4.2 授業/学校数学の<生きる>のメカニズム

     3.5 「学校数学現成」論
      3.5.0 要旨
      3.5.1 「現成」の哲学
      3.5.2 「授業運」論へ
      3.5.3 「現成」の物理 :「複雑系」


     III 部 授業の特個性 (「個の多様性」)

    「差異/格差」は,系の均衡相として見るものであり,「優劣」として見るものではない。 差異/格差を互いの間に見ていくことになる個は,「特個性」として見るところとなり,これは「個の多様性」を立てるということである。
    ここで,「個の多様性」は,系の<一律化>モーメントに抗して均衡する「多様性」である。 実際,「一律」と表裏であるからこそ,授業の多様性に拘わらず「授業」の対象化が成るわけである。

     4. 授業の特個性 (「個の多様性」)

     4.0 要旨

     4.1 生徒の特個性
      4.1.0 要旨
      4.1.1 「個の多様性」からの「形式陶冶」の導出
      4.1.2 「数学の勉強」と「形式陶冶」の位置関係
      4.1.3 「数学の勉強」レベルの個の多様性
      4.1.4 「数学本位・数学方便」

     4.2 授業の特個性
      4.2.0 要旨
      4.2.1 「特個」:「個の多様性」の「個」
      4.2.2 <同種>の中の<特個>
      4.2.3 「個の多様性」の意味 :「システム定常均衡」

     4.3 授業生徒関係の特個性
      4.3.0 要旨
      4.3.1 似合う・似合わない
      4.3.2 好き嫌い


     5. <一律化>モーメントとの均衡

     5.0 要旨

     5.1 <一律化>モーメント
      5.1.0 要旨
      5.1.1 <一律化>による多様性コントロール
      5.1.2 <一律化>の各種装置

     5.2 <一律>に対する<多様>の担保
      5.2.0 要旨
      5.2.1 現場裁量
      5.2.2 分野選択制


     IV 部 「授業運」

    「自分の場合」は,特定の個との出遭いである。 そして,特定の個とのこの出遭いは,「運」である。
    その個は,「特個性」として「個の多様性」で見るものであり,「優劣」で見るものではない。 これは,「運」は「幸運・不運」ではない,ということである。

     6. 「授業運」の立論へ

     6.0 要旨

     6.1 「当たり外れ」の現前
      6.1.0 要旨
      6.1.1 教師の当たり外れ
      6.1.2 指導法の当たり外れ
      6.1.3 競争社会仕様の当たり外れ


     7. 「授業運」の存在論

     7.0 要旨

     7.1 「運」の存在論
      7.1.0 要旨
      7.1.1 目的論と存在論
      7.1.2 「存在=運」
      7.1.3 「運」は, 「個の多様生」と同義

     7.2 「幸運・不運」の定立不能
      7.2.0 要旨
      7.2.1 「幸運・不運」の場依存性/相対性
      7.2.2 「幸運・不運」と時間

     7.3 「運」と能動
      7.3.0 要旨
      7.3.1 運の更新プロセス
      7.3.2 教師の能動──生徒の誘発
      7.3.3 生徒の「授業運」の問い
      7.3.4 生徒の能動


     8. 「授業運」の認識論

     8.0 要旨

     8.1 「授業運」認識の様相
      8.1.0 要旨
      8.1.1 「他と大差あり」
      8.1.2 「初期位相」
      8.1.3 経験の有無
      8.1.4 「一期一会」
      8.1.5 「時間」

     8.2 「授業運」受容の様相
      8.2.0 要旨
      8.2.1 「所与」
      8.2.2他と比べてもしようがない
      8.2.3 「差異/格差」を割り引く

     8.3 「授業運」に対する主体性の在りどころ
      8.3.0 要旨
      8.3.1 「主体的」の定立困難
      8.3.2 「他の授業」を想像できない現実
      8.3.3 「幸運・不運」の指標をもてない現実
      8.3.4 「運」に対する主体性の文化


     V 部 「学校数学の勉強は何のため?」の答え

    自分の場合を,どう受けとめたらよいか?」の問いに対する答えを,本論考は「自分の場合で,ベストに成長することを考えればよい」にする。

     9. 「学校数学の勉強は何のため?」の答え

     9.0 要旨
     9.1 答えの構成
     9.2 「授業運」の答え
     9.3 最終的答え


       閉じ


     10.1 おわりに
     10.2 付言